第3話|判断はだいたいあとから効いてくる
いちごって、実は「いっぱい実がつけばいい」ってもんでもなくて。
実をつけすぎると、光合成でできた糖があちこちに分散されてしまいます。
そうなると、一粒一粒に回る糖が少なくなって、結果、甘さが出にくくなる。
特に冬は、これが顕著です。
冬は日射量が少なくて、そもそもつくれる糖の量自体が少ない。
その状態で実だけたくさんつけると、どうしてもボケた味になってしまう。
だから冬は、成らせる量を抑えます。
その瞬間だけ見れば、正直、もったいないです。
「もう少し実らせられたんじゃないか」
と思うこともあります。
でも、その判断をしなかった結果、来てくれた人が「思ったより甘くないな」って感じてしまうほうが、生産者としては、やっぱりつらい。
量はあったけど、がっかりした。
それだけは、できるだけ避けたい。
だから、目先の利益よりも、口に入れたときの「ちゃんとおいしい」を選ぶことにしています。
でも正直、どんな工夫をしても、お日様に勝るものはありません。
